欧州連合(EU)は16日に開いた財務相理事会で、暗号資産(仮想通貨)規制を正式に承認した。暗号資産市場の透明性を高め、法的枠組みを定める内容で、投資家の保護と金融犯罪の防止が狙い。こうした規制が導入されるのは世界で初めてとなる。
「暗号資産市場(MiCA)法」と呼ばれるこの新法は、暗号資産の発行企業や取引所、暗号資産の保管場所である「ウォレット」などのサービス供給業者を対象とする。こうした企業は今後、事業免許の取得を求められるほか、サービス供給業者は暗号資産の送り主と受取先の氏名などの確認を義務付けられる。
EU理事会議長国を務めるスウェーデンのスバンテソン財務相は「暗号資産に投資する欧州市民を保護し、暗号市産業界がマネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金の供与などに不正利用されることを防ぐための規則導入が急務であることは、最近の動向を見れば明らかだ」と話している。
MiCA法案は欧州委員会が2021年7月に提案。昨年7月に欧州議会と加盟各国の間で、同法案を巡る暫定的な合意がまとまっていた。
この日の財務相理事会では併せて、暗号資産取引の課税を巡るEU加盟国間の協力拡大に向けた法改正案も承認された。[EU規制]
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