全固体電池を手がける台湾の輝能科技(プロロジウムテクノロジー)は12日、フランス北部ダンケルクで電気自動車(EV)向けバッテリーのギガファクトリーを建設すると発表した。2030年までに52億ユーロを投資する計画で、24年後半に着工し、26年末の稼働開始を見込んでいる。
新工場は、同社にとって欧州初のギガファクトリーとなる。年間生産能力は48ギガワット時で、研究開発(R&D)拠点も併設する。3,000人の直接雇用と1万2,000人の間接雇用の創出が見込まれている。
フランス通信(AFP)などによると、同社はダンケルクを建設地に選定した理由について、欧州北部に顧客となるEV工場が多いことや、鉄道・道路網、深海港へのアクセスを挙げている。また、フランスでは低炭素の原子力エネルギーが安価で入手しやすいことや、米国の税制優遇と違ってプロジェクトの段階で国家補助金が得られることも魅力としている。
プロロジウムにはドイツの高級車大手メルセデス・ベンツやソフトバンクが出資する。同社は台湾に建設中のギガファクトリーで、今年後半に量産を開始する予定。同社が手がける全固体電池は、従来型のリチウムイオン電池(LIB)より軽量で出力や持続力、安全性、充電スピードに優れ、20年代後半にはEV用バッテリーの主流になると期待されている。
なお、フランス北部では自動車大手ルノーと提携する中国の遠景科技集団(エンビジョングループ)傘下のエンビジョンAESCや、フランスの新興企業ベルコル(Verkor)などもギガファクトリーの建設を予定しており、EV用バッテリー製造施設の集積地となりつつある。[環境ニュース][労務][日本企業の動向]
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