ドイツの金融最大手ドイツ銀行は27日、第1四半期(1~3月)の純利益が11億5,800万ユーロとなり、前年同期比9%増加したと発表した。金利上昇が追い風となったほか、コーポレートバンク部門が好調で全体を押し上げた。また、コスト削減目標の引き上げに併せて人員削減を進める計画を明らかにしている。
業務粗利益は5%増の76億8,000万ユーロ。税引き前利益は18億5,200万ユーロと12%拡大した。うちコーポレートバンク部門は35%、プライベートバンク部門は10%それぞれ伸びている。一方、投資銀部門は19%落ち込んだほか、アセットマネジメント部門は14%減った。
当期の貸倒引当金は3億7,200万ユーロと27%拡大。「バーゼル3」全面適用時の普通株式等ティア1レシオ(自己資本比率)は3月末時点で13.6%と、1年前から0.8ポイント上昇した。
■コスト削減目標引き上げ
ドイツ銀は併せて、コスト削減目標を5億ユーロ引き上げて25億ユーロとする計画を明らかにした。この一環で顧客対応以外の管理職の一部を整理する方針だ。同行の従業員数は3月末時点で8万6,712人に上る。
クリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)は記者会見で、人員削減の規模は約800人になると説明。第2四半期に着手する方針で、向こう3カ月で4億ユーロ程度のコスト削減を見込んでいると述べた。
なお、ドイツ銀は26日に米事業の責任者のクリスティアナ・ライリー氏が5月中旬に退任すると発表した。経営陣では、カール・フォン・ロア共同副CEOも10月末で辞めることが決まっている。同行はコスト削減のため、取締役会の数を9人に縮小している。
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