ドイツの製薬・化学大手メルクは12日、米ペンシルベニア州ホームタウンの半導体工場の拡張支援を巡り、同州と合意したと発表した。3億ユーロを投じ、特殊ガス生産設備を増強する。
同社は、半導体ソリューション事業を成長をけん引する事業の一つと位置付けている。今回の合意について、北米と欧州における半導体材料事業の成長や、アジアへの供給能力の確保に向け、大規模な投資の可能性を秘めたものだと説明。68人以上の新規雇用に関するインセンティブ目標も含まれるという。
メルクは、好不況を繰り返す半導体業界の性質による短期的な懸念はあるものの、長期的に半導体材料の需要は有望だと指摘。ホームタウン拠点の拡張は、顧客による米国への投資を支援するだけでなく、世界各国の自社の生産拠点を強化するとしている。
今回の拡張は、2025年末までにドイツと米国、アジアでイノベーションと生産能力拡大に30億ユーロ以上を投じる計画の一環。同社はこれまでに、米国のエレクトロニクス部門の研究開発(R&D)拠点および生産拠点のほか、アジアの半導体材料の生産能力拡大などに投資している。
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