英中銀イングランド銀行は23日、22日まで開いた金融政策委員会(MPC)で、政策金利を0.25ポイント引き上げて4.25%とすることを決めたと発表した。インフレが予想外に再加速する中、11会合連続の利上げとなり、政策金利は2008年11月以降で最高の水準に達している。
議事録によると、金融政策委員9人のうち7人が0.25ポイントの利上げを支持した一方で、2人は4%での据え置きを主張した。
英国のインフレ率は1月に減速したものの、2月には予想外に再加速して10.4%となり、中銀の見通しを0.6ポイントも上回った。ただ中銀は、これは変動の激しい衣料品・靴の価格上昇が主因で、持続性は低いと分析。政府による光熱費補助の延長や、エネルギー卸売価格の低下を背景に、インフレ率は第2四半期(4~6月)には大幅に減速するとみている。
中銀は今後の金融政策について、「労働市場の逼迫(ひっぱく)や賃金上昇およびサービスインフレの動向など、持続的なインフレ圧力の兆候に注視する」とし、「圧力が高まる証拠が認められれば、さらなる引き締めも必要」との考えを示した。
米国のシリコンバレーバンク(SVB)の破綻や、経営が悪化したスイスの金融大手クレディ・スイスの同業UBSによる買収など、銀行業界の混乱が続いていることについては、「英国の銀行システムは豊富な資本と流動性を維持しており、一定期間の高金利を含む多様な経済シナリオに対応できる」との判断を示した上で、これが家計や企業への融資条件に及ぼす影響を「引き続き注視する」としている。
国内経済については、2月時点の見通しでは第2四半期に0.4%の縮小を見込んでいたが、これを上回り、わずかに拡大すると予想。2期連続でのマイナスにはならず、リセッション(景気後退)は回避されるとみている
次回のMPC会合は5月11日に開かれる。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。