英国の金融大手HSBCホールディングスは13日、経営破綻した米国のシリコンバレーバンク(SVB)の英法人を名目上の1ポンドで買収すると発表した。国内のスタートアップ企業の間で動揺が広がる中、政府と英中銀イングランド銀行が買収交渉を仲介し、不安解消に向けて迅速に対応した。
SVBの英法人の個人・法人顧客は預金の引き出しができなかったが、今後は通常通り預金へのアクセスが可能になる。イングランド銀は、SVBの破綻によって英国の他の銀行が「重大な影響」を受けることはないと強調。「SVBの英法人のサービス継続を保証し、国内のテック産業への影響を最小限に抑える」ための措置で、金融システムへの信頼を下支えするとした。
一方、ハント財務相は現時点では公的資金の投入は考えていないと述べている。
米金融当局は10日、SVBが経営破綻したと発表。同行は全米16位の大手行で、資産総額は昨年12月末時点で約2,090億ドルに上り、2008年の金融危機後で最大規模の米銀破綻となった。
SVBはスタートアップ企業への融資を専門としており、破綻を受けて英国のテクノロジー産業でも影響を懸念する声が広がっている。なお、米財務省と金融当局は12日、SVBの全預金者を保護する方針を明らかにした。
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