英国の小売大手マークス・アンド・スペンサー(M&S)は2月28日、店頭で顧客対応を行う従業員4万人超の時給を4月から7%引き上げると発表した。生活費の高騰を受けた措置で、費用は5,700万ポンドに上る。
従業員の時給はロンドン都市圏では11.25ポンドから12.05ポンド、それ以外の地域では10.2ポンドから10.9ポンドになる。英国では法定最低賃金に当たる「全国生活賃金」が4月から時給10.42ポンドに引き上げられる。M&Sはこれを踏まえ、再度の昇給に踏み切った格好だ。
同社は今回、3月までの1年間に4,650万ポンドを投じて2回の賃上げを行っており、フルタイムの顧客対応のスタッフの給与は月額150ポンド近く上昇したと説明。また、時給は21年初めと比べて20%以上高くなっており、給与の伸びはインフレ率を上回っていると述べた。
インフレ加速を受け、英国のスーパー各社は相次いで昇給を行っている。セインズベリーは1月、従業員およそ12万7,000人の時給を11ポンド超に引き上げると発表。アズダは11万5,000人超の時給を10%、テスコはおよそ22万人の基本時給を7%、それぞれ引き上げることを決めている。[労務]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。