フランスの自動車大手ルノーと日産自動車、三菱自動車の3社は6日、日産とルノーが両社の出資比率について、「15%の株式を相互に保有する」ことなどで合意したと発表した。ルノーは日産への出資比率を約43%から大幅に引き下げ、対等な関係とすることで一致。電動化や自動運転など転換期にある自動車業界において、1999年から始まった日仏連合は提携関係を見直し、新たな事業戦略に乗り出す。
3社は今回、アライアンスの強化に向け3領域での新たな取り組みを発表した。
■3地域での価値創造プロジェクト
3社は中南米とインド、欧州において、市場、商品、技術の3分野で主要プロジェクトを検討する。欧州では、ルノーと日産がCセグメント電気自動車(EV)を巡る協業の可能性を模索。三菱はルノーと共に、小型クロスオーバースポーツタイプ多目的車(SUV)「ASX(日本名:RVR)」と小型車「コルト」の次世代新型車を開発する。欧州での協業は車両にとどまらず、物流やリサイクルを含むライフサイクル全体で展開する。
■プロジェクトへの相互参加
3社は、事業に付加価値が期待できるパートナー各社のプロジェクトに投資・協業することで合意。日産は、ルノーが設立するEV・ソフトウエア事業「アンペア」に最大15%出資する意向で、三菱も出資を検討する。また、ルノーが進める内燃エンジン(ICE)車向けパワートレインプロジェクトについては、日産と三菱が顧客となる予定。
■ルノー・日産の資本関係見直し
ルノーは、日産の株式28.4%をフランスの信託会社に信託し、ほとんどの議案に関する議決権を「中立化」した上で段階的に売却。日産は筆頭の売却先候補として、優先的地位を享受する。
日産は現在、ルノー株15%を保有するが、ルノーの日産への出資比率が40%以上であるため議決権を行使できなかった。今回の合意は、両社間の資本関係の不均衡が解消される大きな転換点となる。なお、ルノーと日産の新たなアライアンス契約は今年3月末までに締結される予定で、当初の有効期限は15年間となる見通し。[日本企業の動向]
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