イングランドで6日、国民医療制度(NHS)の医療従事者が賃上げを求めて一斉にストライキを決行した。これまで別々だった看護師と救急隊員などが同時に実施したことから、ストは約2万5,000人が参加した1月を上回り過去最大規模となった。バークレー保健・社会福祉相は、職員不足により国民医療制度(NHS)が一段と逼迫(ひっぱく)すると警告した。
イングランドとウェールズでは昨年夏以降、医療従事者だけでなく、公務員などを中心に約50万人が参加するストが断続的に行われてきた。未曾有の高インフレを背景に、物価の上昇を反映した賃上げや人員不足の解消を要求してきた。
政府と労組との交渉はいずれも決裂。スナク首相は2日、TalkTVのインタビューで「できることなら看護師の賃金を大幅に上げたい」とする一方、「医療機器や救急車の提供など、他の分野でNHSに資金援助を行っている」と賃上げに消極的な姿勢を示していた。
そんな中、ウェールズでは、自治政府が突如賃金の提示額を引き上げ、看護師と一部の救急隊員は6日に予定していたストライキを中止した。
労組ユナイトの幹部、シャロン・グラハム氏は5日、公共放送BBCに対しスナク首相が交渉のテーブルに着くことを望むとし、「政府は人命を危険にさらしている」と批判した。[労務]
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