ドイツの企業向けソフト大手SAPは26日、事業再編の一環として、年内に約3,000人を削減する方針を明らかにした。加えて、2021年にスピンオフ(事業の分離・独立)した、エクスペリエンス管理ソフトの米クアルトリクス(Qualtrics)の持ち株を手放す方向で動いている。中核のクラウド事業を強化し、収益性を高める狙い。
SAPの従業員数は22年12月末時点で11万2,000人。事業再編で約2.5%を削減する格好となる。これにより、24年に3億~3億5,000万ユーロのコスト削減を見込む。再編実施コストは2億5,000万~3億ユーロに上り、その大半が23年第1四半期(1~3月)に発生する見通し。
クアルトリクス株の売却については、時期や条件などの最終的な決定は下していないとしている。
■通期は68%減益
SAPはこの日、22年12月期通期の決算発表を行った。純利益は17億1,400万ユーロとなり、前期比68%減少した。
売上高は11%増の308億7,100万ユーロ。クラウド・関連サービスは125億5,600万ユーロと、33%増加した。
グループ全体の営業利益は46億7,200万ユーロとほぼ横ばい。営業利益率は15.1%と、1年前から1.6ポイント低下している。[労務]
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