英中銀イングランド銀行は6~7日に開いた金融政策委員会(MPC)で政策金利を過去最低の0.5%に据え置くとともに、金融資産買い取りによる量的緩和策の規模を3,250億ポンドに据え置くと発表した。据え置きはこれで39カ月連続となる。金融資産の買い取りはすでに5月初めに上限に達しているため、ユーロ圏の危機の深まりに対応して追加の量的緩和策を打ち出すとの観測も一部には出ていた。
中銀は今回の決定の理由を説明していないが、物価上昇に対する警戒を優先すると共に、先行きが不透明なことから追加策を見送ったとみられている。4月の消費者物価指数(CPI)は3%と前月の3.5%から減速しているものの、依然として中銀が目標とする2%を上回る。一方で国内総生産(GDP)は第1四半期(1~3月)に前期比0.3%縮小しており、国際通貨基金(IMF)も5月に、英国は追加の量的緩和策や利下げを通じて景気を刺激する必要が出てくるとの見解を示していた。
ただユーロ圏の危機がさらに深刻化すれば、中銀は国内経済への打撃を阻止するために量的緩和策の再開に踏み切るとの見方もあり、8月には買い取り枠を500億ポンド増やすとの予想も出ている。
なお、今回のMPCの議事録は20日に公表される予定だ。
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