空中給油機「ボイジャー」を製造するコンソーシアム「エアタンカー」は22日、英国防省に納入するボイジャーの生産を英国からスペインに移管すると発表した。これにより、最大320人の雇用が失われる可能性もある。
ボイジャーは仏航空製造大手エアバスのA330型機を空中給油機に改造したもの。エアタンカーは、2008年に英国防省からボイジャー14機のリースを105億ポンドで受注した。最初の2機はスペイン・マドリード南郊のヘタフェ(Getafe)にあるエアバス・ミリタリー(スペイン)の工場で既に改造済み。現在、イングランド南部ボーンマス空港にある航空・防衛システム大手コバムの工場で改造中の3・4機目は、引き続きここで作業し来年初めまでに完成させる。ただ、残りの10機は予定を変更し、ヘタフェのエアバス工場で改造する方針だ。A330機を設計したヘタフェの工場で作業する方が迅速かつ効率的との考えとみられる。
ロイター通信によると、来年3月までにコバムの従業員237人と、下請け会社の83人の職が失われる恐れがある。一方、インディペンデントはコバムの広報担当者の話として、従業員の一部はスペインまたはイングランド南西部オックスフォードシャー州の工場に移管される可能性もあると伝えている。
エアタンカーは、欧州航空・防衛最大手ヨーロピアン・エアロノーティック・ディフェンス・アンド・スペース(EADS)を中心に、仏防衛エレクトロニクス大手タレス、コバム、英ロールス・ロイスが参加している。
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