英国の鉄道運転士労働組合(ASLEF)に所属する鉄道15社の運転士が、来年1月5日に24時間のストライキを決行する。同労組はインフレに見合う賃上げを要求しており、ストの実施は今年7月末以降で6回目となる。来年1月3~4日と6~7日にも全国鉄道・海運・運輸労働組合(RMT)の組合員による鉄道ストが予定されており、年明け早々5日連続で鉄道網が混乱する見通しだ。
1月5日にストを予定するのは、◇アバンティ(Avanti)・ウエストコースト◇チルターン・レールウェイズ◇クロスカントリー◇イーストミッドランズ鉄道◇グレートウエスタン鉄道(GWR)◇グレーター・アングリア◇ゴーバイア(Govia)・テムズリンク・レールウェイ(GTR)運営のグレート・ノーザンおよびテムズリンク◇LNER◇ノーザン・トレインズ◇サウスイースタン鉄道◇サザンおよびガトウィック・エクスプレス◇ サウスウエスタン鉄道(SWR、一部運転士のみ)◇SWRアイランド線◇トランスペナイン・エクスプレス(TransPennine Express=TPE)◇ウエストミッドランズ・トレインズ(WMT)のASLEFの組合員。
ASLEFのミック・ウィーラン事務局長は「鉄道会社は政府の意向が足かせだと言うが、政府は雇用主ではなく、交渉するかどうかは鉄道会社次第だ」と指摘。「われわれはいつでも交渉に応じるつもりだが、鉄道会社側からは何の提案もない」とし、こうした姿勢は容認できないと強調している。ASLEFは今回、組合員の採決により、新たに向こう6カ月間のスト実施を委任されたとしている。
ASLEFは11月26日、12社の運転士による24時間ストを実施したばかり。ただ、このストに参加した地上鉄道網ロンドン・オーバーグラウンド(LO)の運転士は、ASLEFの推奨に従い雇用主アリバ・レール・ロンドンの提案を受け入れる見通しで、今回はストを予定していない。ASLEFは、今年既に12社との賃金交渉が妥結したとしている。
来年1月3~4日と6~7日には、英国の鉄道インフラを管理するネットワーク・レールおよび鉄道運行会社14社のRMT組合員が48時間ストを計画している。加えて、ネットワーク・レールの組合員は今年12月24日午後6時~27日午前6時にもストを行う予定。これらのスト実施日には鉄道網のおよそ半分が閉鎖され、スコットランドやウェールズの大部分では鉄道が運行されない見通しだ。[労務]
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