欧州中央銀行(ECB)は15日に政策理事会を開き、ユーロ圏の市場介入金利(最重要の政策金利)を0.5ポイント引き上げ、2.5%とすることを決めた。中銀預入金利も0.5ポイント引き上げ、2%としている。上げ幅は前回の0.75ポイントを下回ったものの、インフレ見通しの上方修正を受け、今後さらなる利上げに踏み切る方針を示している。
ECBは今回、インフレ率は高止まりしたままで、今後も目標を上回る水準で推移することが予想されることから、4会合連続の利上げを決めた。欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットがインフレ見通しを大きく上方修正したことから、中期目標の2%に低下させるためには、安定したペースで大幅な利上げを続ける必要があるとしている。
ユーロ圏の11月のインフレ率は年率で10%(速報値)と、前月からわずかに減速した。ECBは、減速は主にエネルギー価格のインフレ率低下によるもので、全体的な物価上昇圧力は強まっており、当面は続くとみている。なお、ユーロスタットは、平均的なインフレ率が今年は8.4%に達し、来年は6.3%に低下すると予想している。
ECBは併せて、資産購入プログラムのポートフォリオを慎重かつ予測可能なペースで縮小する計画を発表。来年3月から満期到来の元本の再投資を減らし、6月までは月平均150億ユーロずつ縮小するとしている。
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