英中銀イングランド銀行は3日、2日まで開いた金融政策委員会(MPC)で、政策金利を0.75ポイント引き上げ、3%とすることを決めた。8会合連続の利上げとなったほか、0.75ポイントの利上げを行うのは1989年以降で初めて。政策金利が3%に達するのは、金融危機に見舞われていた2008年11月以来となる。
議事録によると、金融政策委員7人のうち5人が0.75ポイントの利上げに賛成した。反対した委員のうち1人は利上げ幅を0.5ポイントに、もう1人は0.25ポイントにとどめるよう主張したが、インフレ率が中銀目標の2%を大きく上回る水準で推移する中、大幅な利上げが必要との見方が優勢だった。
英国の9月のインフレ率は10.1%と、前月から0.2ポイント加速。中銀は政府のエネルギー価格高騰への対応策を踏まえてインフレ見通しを引き下げているが、それでも第4四半期(10~12月)は最大11%に達すると予想する。
一方、国内総生産(GDP)は今年下半期に約0.75%縮小するとの見方を示した。英国経済は夏までにリセッション(景気後退)入りしたとみられ、景気後退は24年半ばまで続くほか、失業率も2倍に跳ね上がる見通しだ。
なお、中銀は量的緩和策で買い入れた英国債について、償還と売却により向こう1年間で800億ポンドを減らす方針を打ち出している。中銀が保有する国債は約8,380億ポンド相当に達しているが、1日にはトラス前政権の大型減税案による市場の混乱を受け延期していた7億5,000万ポンドの短期国債の売却入札を実施した。
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