金融大手HSBCホールディングスが8日発表した第1四半期(1~3月)決算は税引き前利益が67億7,500万ドルとなり、前年同期比25.2%増加した。アジア地域の好調に加え投資銀行事業が上向いたほか、米国での不良債権が縮小したことが好業績につながった。
税引き前利益を地域別に見ると、香港が21%増えたほか、香港を除くアジア太平洋地域は24%、中南米は11%それぞれ伸びた。米国での不良債権に対する引当金は1年前から5億ドル減っているが、英国での返済保障保険(PPI)の不適切な販売に対する補償金支払いの引き当ては4億6,800万ドルに上った。また中南米でも不良債権が拡大している。3月末時点のコアティア1レシオ(狭義の中核的自己資本比率)は10.4%と、3カ月前から0.3ポイント上昇した。
HSBCは2013年までに株主資本利益率(ROE)を12%超に引き上げる目標を掲げているが、当期は6.4%にとどまった。スチュアート・ガリバー最高経営責任者(CEO)は目標を据え置く方針を示している。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。