ビール大手のSABミラーが24日に発表した2012年3月通期決算はEBITA(利払い・税引き前・償却費控除前利益)が56億3,400万ドルとなり、前年比11.7%拡大した。主力市場の中南米やアフリカの好調に加え、オーストラリア最大手フォスターズの買収により、米国及び欧州以外の地域で事業が強化されたことも奏功した。
売上高は10.9%増の313億8,800万ドル。地域別では主力の中南米とアフリカがいずれも13%の増収となったほか、フォスターズや中国メーカーの買収効果が追い風となりアジア・太平洋は73%増と力強い伸びを示した。欧州ではポーランドとルーマニアが不振だったが、一部商品の値上げが奏功し2%の増収を確保。北米も1%増えた。
グループ全体の販売量は286億リットルと、1年前から4%増えた。うちラガーが3%、その他のアルコール飲料が4%それぞれ伸びたほか、ソフト飲料も7%拡大した。
メヤー・カーン最高経営責任者(CEO)は今回の結果について、「成長市場における足場固めが進み好業績が残せた」と満足を示した。今年については、新興市場は昨年に引き続き成長が期待できる一方、成熟市場については大幅な改善は難しいと予想。オーストラリア事業統合によるシナジー効果を増大させると共に、グローバル展開を加速させる方針を示した。
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