ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は18日、高級スポーツカー部門ポルシェの新規株式公開(IPO)の仮条件を1株当たり76.5~82.5ユーロに設定したと発表した。時価総額は700億~750億ユーロとなる見込み。
VWは株式12.5%を放出し、87億~94億ユーロを調達する計画。調達資金の半分は特別配当として分配し、残りは電気自動車(EV)への移行やソフトウエア開発費に充てる。
9月29日にフランクフルト証券取引所で上場する予定。仮条件の上限では欧州で過去3番目に大きい上場案件となる。ただ、評価額は当初見込んでいた最大850億ユーロを下回った。
ロイター通信などによると、カタール投資庁(QIA)やノルウェー中銀のノルウェー銀行、米投資会社ティー・ロウ・プライス、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の政府系持ち株会社ADQが、計36億8,000万ユーロ相当の優先株を取得する予定。
VWのアルノ・アントリッツ最高財務責任者(CFO)は「ポルシェのIPO計画は最終段階にあり、コーナーストーン(中核的)投資家のコミットメントを歓迎する」と述べた。
VWはポルシェの株式を普通株と議決権のない優先株に等分し、優先株のうち最大25%をVWの既存株主に割り当てる。新規公開するのは優先株のみとなる。
VWは12月に臨時株主総会を予定しており、ここで優先株と普通株の売却による調達総額の49%を来年初頭に特別配当として分配することを提案する方針だ。
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