英国の労働組合ユナイトは13日、イングランド東部フェリックストウ(Felixstowe)港の従業員が27日から10月5日までストライキを実施すると発表した。同港の組合員が、提示された7%の賃上げを拒否したため。フェリックストウ港では8月にも同様のストが行われ、組合員1,900人以上が参加。英国最大のコンテナ輸送拠点である同港で再び大規模なストが行われることで、国内サプライチェーン(調達・供給網)に影響が及ぶ可能性がある。
ユナイトは、フェリックストウ港で働く約2,550人のうち、クレーン運転士や機械操作員、港湾荷役作業員らおよそ1,900人を代表する。同港の経営陣は先に、一方的に交渉を打ち切って7%の賃上げを強要したとされる。この是非を問う投票に組合員の78%が参加し、うち82%が反対したという。今回のストは、9月27日午前7時(現地時間)から10月5日午前6時59分まで行われる予定。
フェリックストウ港側は、新たなストの予告に遺憾の意を表し、「団体交渉は行き詰まり、合意に達する見込みはない」と指摘。今年の初めまでさかのぼって7%賃上げし、500ポンドの一時金を支払う手続きを進めるとしている。
8月21~29日に実施された前回のストでは港湾の機能が停止したが、小売り向け貨物の多くはイングランド南東部のドーバー港を経由することもあり、消費者への影響は限定的だった。ただ、小売業者がクリスマスに向けた在庫確保に動く中、今回のストが物流の混乱を悪化させる可能性も懸念されている。[労務]
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