ドイツ政府は1日、5基目の浮体式LNG貯蔵再ガス化設備(FSRU)を確保したと発表した。ロシア産ガスへの依存脱却に向けた動き。政府は既にFSRU4基を設置する計画をまとめているが、2023/24年度の冬までに北西部ウィルヘルムスハーフェンに5基目を追加し、LNGの輸入をさらに拡大する。
国内5カ所目のターミナルは、ベルギーのグリーン水素会社トリー・エナジー・ソリューションズ(TES)がドイツのエネルギー大手エーオンおよびフランスの公益事業大手エンジーと共同で運営する。ウィルヘルムスハーフェンでは年内に1基目のターミナルが稼働する予定で、来年以降はFSRU2基が利用可能になる。それ以外では、北部ブルンスビュッテルのターミナルは年内、北部ルブミンとハンブルク近郊シュターデのターミナルは2023年末までに、それぞれ稼働する見通し。
なお、これとは別に、民間企業のコンソーシアムがルブミンにターミナルの建設を予定している。同ターミナルは年内の完成を見込む。
欧州連合(EU)政策専門サイトのユーラクティブによれば、政府が確保したFSRUの年間処理能力はいずれも約50億立方メートルで、一部は最大で年間80億立方メートルの再ガス化が可能とみられる。なお、ロシアからのガス輸入量は昨年までは年間500億立方メートル前後で推移していた。
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