英中銀イングランド銀行は18日、金融資産購入による量的緩和策の一環として買い入れていた社債の売却計画を公表した。9月中旬に入札を開始する。国債についても同月に売却に着手することを検討しており、インフレ加速を背景に量的引き締めに転換する格好となる。
中銀は2016年8月、経済減速を受け、量的緩和策として従来の国債に加えて社債の買い入れにも着手。国内経済への貢献度が高い投資適格級の企業を対象に社債購入を開始し、20年3月と11月にはコロナ禍による景気悪化を背景に購入規模を拡大した。現時点での社債保有高は計191億ポンドに上っている。
中銀は今年2月、量的緩和策の縮小に着手する方針を明らかにし、社債については23年末までに売却するとしていた。この日に公表された売却計画によると、9月19日からの週を皮切りに、定期的に入札を実施するほか、10月17日の週からは企業による買い戻しも受け付ける。これにより、23年末までに社債の保有残高をゼロとする。
ロイター通信によると、中銀は9月に総額400億ポンドの国債売却に乗り出すことを検討しており、9月15日の金融政策委員会(MPC)で最終決定する予定。中銀は、金融引き締め策の柱は金利の引き上げであり、国債売却が果たす役割は小さいとみているものの、量的緩和が再び必要となった場合の買い入れ余地を残すために、売却を進めるとしている。
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