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ロイヤル・メール、8月末と9月初めにスト

英国の通信労働組合(CWU)は9日、郵便大手ロイヤル・メールの組合員11万5,000人超が、賃上げを求めて8月末と9月初めに合わせて4日間のストライキを実施すると発表した。ロイヤル・メールは最大で5.5%相当の賃上げを提示したものの、労組はこれを不適切として拒否し、交渉は決裂していた。同社にとっては2009年以降で最大規模のストとなる。

ストの日程は8月26日、31日、9月8日、9日の4日間。7月に組合員を対象にしたスト実施の是非を問う投票では、組合員の77%が参加し、うち97.6%が賛成票を投じていた。組合側は、現在の生活費をカバーする水準の金額まで賃金を引き上げるよう要求している。CWUのウォード書記長は「誰も軽々しくストを決められないが、組合員は瀬戸際にある。自分たちにふさわしい尊厳ある適切な賃上げを確保する決意で団結している」と述べている。

一方、ロイヤル・メールは「3カ月余りの交渉で、組合側は事業改革に必要な変更の議論に有意義な関与をせず、対案も出さなかった」として、ストは長期的な雇用の安定に対する責任放棄であると批判。ストの影響で賃上げが困難になるだけでなく、雇用を危機にさらす可能性があると主張している。同社は交渉の中で、4月にさかのぼって無条件で2%の賃上げを行うとともに、従業員が労働条件の変更を受け入れれば1.5%を上乗せする案を提示。また、業務目標の達成に連動してさらに2%のボーナスの支払いも提案していた。

ロイヤル・メールは先に第1四半期(4~6月)の損失が9,200万ポンドとなり、1日に100万ポンドの損失を出していると明らかにしていた。同社が提案する賃上げでは、人件費が年に2億3,000万ポンド上乗せされ、1日当たりの損失が50万ポンド超増えると指摘している。

なお、同社はスト期間中の業務について、混乱を最小限にとどめるための対応策を用意しているとしている。[労務]


関連国・地域: 英国
関連業種: 運輸サービス雇用・労務

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