英国の労働組合ユナイトは5日、イングランド東部フェリックストウ(Felixstowe)港の従業員が21日から8日間のストライキを実施すると発表した。賃上げ交渉が決裂したためで、組合員1,900人以上が参加する見通し。同港は国内最大のコンテナ輸送拠点であることから、ユナイトは国内サプライチェーン(調達・供給網)に大きな影響が及ぶと警告している。
ユナイトは先の交渉で、フェリックストウ港が提案した7%の賃上げを拒否。英国では6月、年金や賃金交渉で参考にされる小売物価指数(RPI)が前年同月比11.8%上昇しており、これに比べ著しく低いと非難した。
一方、フェリックストウ港の広報担当者は、同港では1989年以降、ストが実施されておらず、交渉が続く中で実力行使が発表されたことは遺憾だとコメント。同港は安定した好待遇の雇用を提供しており、ストによる勝者はいないと主張している。交渉の対象となる従業員の平均年収は、4万3,000ポンドだという。
ユナイトとフェリックストウ港は、8日に再び交渉を始めたとみられる。
ユナイトによると、同港は国内コンテナ輸送の48%を取り扱い、従業員数は2,550人。このうち約1,900人がユナイトの組合員だという。先にはスト決行の是非を巡る投票に組合員の81%が参加し、うち92%がストを支持。決行されれば、海運と陸運に大きな混乱が生じると予想されている。[労務]
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