英中銀イングランド銀行は4日、3日に開いた金融政策委員会(MPC)で政策金利を0.5ポイント引き上げ、過去14年弱で最高の1.75%とすることを決めたと発表した。利上げは6会合連続。インフレが一段と加速する中、1995年以降で最も大幅な利上げに踏み切った。中銀はインフレ率が年内に13%超に達する一方、国内経済は第4四半期(10~12月)にリセッション(景気後退)入りすると予測している。
議事録によると、今回の利上げは金融政策委員9人のうち8人が支持。シルバナ・テンレイロ委員のみは、利上げ幅を0.25ポイントにとどめることを主張した。
英国の6月のインフレ率は9.4%と前月から0.3ポイント加速し、1982年2月以降で最高を記録。中銀が目標とする2%を大きく超過し続けている。
中銀は今後のインフレ率について、ロシアによるガス供給制限を受けたガス卸売価格の高騰を背景に、従来予想を上回るペースで加速すると予想し、第4四半期には13%超に達すると見込んでいる。インフレ率は2023年を通じて極めて高水準で推移し、2年後に目標の2%に落ち着くとみている。
中銀は、インフレ圧力がさらに長引く兆候が見られれば、必要に応じて「力強い措置を取る」との方針を改めて示した。
国内経済については、エネルギー価格高騰を受けた実質所得の減少や、人手や物資の不足による生産の制約を背景に、従来予想をやや上回るペースで減速していると指摘。第4四半期には景気後退に陥ると予想している。
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