英国の全国鉄道・海運・運輸労働組合(RMT)は、27日に予定していた24時間の鉄道ストライキを決行すると発表した。同国の鉄道インフラを管理するネットワーク・レールおよび鉄道運行会社14社との労使交渉に進展が見られないため。組合員4万人以上が参加する見通しで、運輸事務職労働組合(TSSA)も同日のストを予定していることから、大きな混乱が予想される。
RMTは、「ネットワーク・レールが先に提案した賃上げ案には改善点が見られない上、スト実施を撤回しなければ強制解雇と保守作業の5割削減に踏み切ると脅している」と指摘。鉄道運行会社は新たな条件を提示せず、運転士だけの運行や組合員の労働条件改悪を検討していると述べた。
対するネットワーク・レールは、2年間で最大8%賃上げし、強制解雇は実施しないと提案したが、RMTが組合員の意見を聞くことなく交渉の席を離れたと反論。組合員の利益より政治的な運動を優先していると批判した。
TSSAに所属するアバンティ(Avanti)・ウエストコーストの従業員も、27日にストを計画している。同社はロンドンとバーミンガム、マンチェスター、スコットランドのグラスゴーなどを結ぶ路線を運営する。
RMTは、6月末にも3日間の大規模ストを実施したばかり。交渉が妥結しない場合は、8月18日と20日にもストを行う構えだ。なお、鉄道運転士労働組合(ASLEF)も7月30日、27年ぶりの全国ストを予定している。[労務]
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