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仏政府、フランス電力を完全国有化へ

フランスのボルヌ首相は6日、国民議会(下院)での施政方針演説で、フランス電力(EDF)を完全国有化すると明らかにした。同社は原子炉の一部停止や政府の電力料金抑制策により利益が落ち込み、負債も拡大しているためで、政府の管理下に置くことでエネルギー危機への対処を目指す。

首相は演説で、ロシアのウクライナ侵攻とこれに伴う課題に直面するために「国家として自立性を維持しなければならない」と述べた。政府は現在、EDFの株式84%を保有しており、残り株を市場価格で買い取るには約50億ユーロが必要となる。ただ、完全国有化は特別立法で行うのか、公開入札で残り株を買い取るのかは明言せず、その時期についても明らかにしなかった。

EDFは既存の原子炉の一部で腐食が生じたために運転を停止しており、これにより今年の利益が185億ユーロ縮小する見込み。また、政府は電力料金を抑えるためにEDFに価格を抑えることを求めており、これによる損失は102億ユーロに上るという。

一方、フランスと英国で進める原発の建設が遅延してコストが超過していることなどから、今年の負債は前年から40%増えて610億ユーロを超える見通し。さらに、政府が求める新世代の原子炉6基の建設には500億ユーロ以上の投資が必要となる。

マクロン大統領は昨年、EDFを単一事業体として維持しつつ、原子力、水力、再生可能エネルギー・送電・小売りの三事業に分ける計画を策定したが、労組の反対や欧州委員会の異議を受けて断念していた。主要労組の労働総同盟(CGT)は完全国有化について、原発の価格設定方法を抜本的に見直さない限り、解決にはならないと指摘している。[環境ニュース]


関連国・地域: 英国フランスロシアウクライナ
関連業種: 電力・ガス・水道マクロ・統計・その他経済

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