ロンドン・シティー空港は1日、週末などの発着枠を増やし空港の利用を拡大する提案を示し、一般からの意見公募を開始した。既存の滑走路とインフラを最大限に活用し、2031年までに利用者数を最大900万人まで引き上げたい考え。
この提案では、土曜日の午後0時30分から日曜の午後0時30分までの離着陸禁止を緩和し、土曜日は午前6時30分から午後10時まで離着陸を認める。また週日については午前6時30分から7時までの離着陸を現行の6便から12便に増やすほか、午後10時以降に遅れて到着する便についても迂回(うかい)せず、10時30分までは着陸させるなど柔軟性を持たせる。
この案について同空港は、延長する離着陸時間にはエアバス「A220」やエンブラエル「E2」など静かな機体のみの運航を認めること、夜間8時間の離着陸禁止や日曜日の離着陸時間に変更はないことを強調。空港のインフラを増やす必要もなく、年間発着枠の上限である11万便についても変更しないという。これまでこの上限に達したことはない。
さらに、拡大計画により2,100人の雇用が創出され、うち1,250人が空港運営による直接的な雇用になると説明。地元企業にとっては年間5億3,000万ポンド相当の生産性向上につながり、ロンドンには年間7億5,000万ポンドの利益をもたらすと試算している。
意見公募は10週間にわたり行われ、空港が位置するロンドン東部で7回の公聴会を開催する。ただ、週末や早朝の離着陸の規制緩和に対しては、地元住民や環境保護団体が強く反対する可能性もある。
同空港は、今年の利用者数が300万人まで回復し、24年には500万人と、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準に戻ると見込んでいる。[環境ニュース][労務]
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