武田薬品工業は23日、同社が開発・販売権を有する鉄欠乏性貧血治療薬「Rienso」(一般名フェルモキシトール)について、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)が販売承認を推奨する見解を示したと発表した。EMAによる販売承認に向け、大きく前進した形だ。
CHMPによる推奨は、第3相臨床試験の結果に基づくもの。慢性人疾患患者を中心とした鉄欠乏性貧血患者に対し、同薬を投与した場合の方が経口鉄製剤を投与した場合よりヘモグロビン値の改善度が高く、副作用などの有害事象の発現率も同等だったという。鉄欠乏性貧血は、腎機能および赤血球性性能が低下する慢性人疾患の後期によく見られ、病態を悪化させる。
武田薬品の欧州・カナダ責任者トレバー・スミス氏は、「この有効な治療オプションを患者や医療関係者に届けられるよう努めたい」と述べている。同社は2010年に、米AMAGファーマシューティカルズから「Rienso」の全効能に関する欧州、カナダ、トルコ、独立国家共同体(CIS)、アジア太平洋諸国(日本・中国・台湾を除く)での独占的開発・販売権を取得した。同薬は米国では既に承認されている。[日本企業の動向]
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