英国の公共放送BBCは26日、「デジタル・ファースト」の実現に向けた新たな再編案を発表した。向こう数年間で最大1,000人を整理するとともに、一部のチャンネルを閉鎖する計画で、これらの措置により年間約5億ポンドのコスト削減を見込む。
今回の再編は受信料に当たるテレビライセンス料の据え置きを受けた措置で、総合チャンネル「BBC4」、子ども向けの「CBBC」、ラジオ放送の「ラジオ4エクストラ」は閉鎖し、今後はサービスはオンラインでのみ提供する。また、国内と海外向けのニュースチャンネルを「BBCニュース」として統合するほか、多言語放送の一部もオンラインに移行する。
BBCはさらに、オンラインサービスの拡充に約3億ポンドを投資する方針で、特にオンデマンド放送「アイプレイヤー(iPlayer)」の拡充に注力するほか、新たな商品開発にも年最高5,000万ポンドを振り向ける。他にも、官僚主義的な組織構造を改善して運営コストを削減するとともに、作業プロセスの簡素化も図る考えだ。
BBCのティム・デイビー会長は、「まったく新しい世界規模のデジタルメディアとなる」と強調。なお再編には直ちに着手するが、従業員との協議結果などの詳細は向こう数カ月以内に改めて明らかにするとした。
英政府は1月、テレビライセンス料を向こう2年間は現行の年間159ポンドに据え置くことを決めており、BBCはこれにより年間約2億8,500万ポンドの資金が不足するとの見方を示していた。ライセンス料はBBCの収入の4分の3近くを占める。[労務]
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