ロンドンで24日、ロンドン交通局(TfL)の横断鉄道プロジェクト、クロスレール(エリザベス線)の主要区間が開通した。当初は2018年12月の予定だったが、3年以上遅れてようやく開業。年間2億人が利用し、住宅開発や雇用創出で英国に420億ポンドの経済効果をもたらす見込みだ。
記念すべき始発電車は午前6時33分(現地時間)、ロンドン中心部パディントンから西方向に出発。数百人の鉄道ファンや通勤客と共に、ロンドンのカーン市長も乗車した。同市長は「この素晴らしい新たな路線は22世紀にふさわしく、私たちが誇るべきだ」とコメントした。
エリザベス線の開通で、ロンドン中心地の鉄道輸送力は10%上昇。これは過去70年で最大規模の増強になるという。
この日から運行開始となったのは、パディントンから南東部アビーウッド(Abbey Wood)までの区間。両駅間の移動にかかる時間は29分とほぼ半減し、パディントンから東部の金融街カナリーウォーフまでの所要時間は17分となる。同区間ではまず、月~土曜日の午前6時半~午後11時に5分おきに運行。夜間や日曜日は工事を続け、全面開通は来年5月となる見通し。
クロスレールは、バークシャー州のレディング(Reading)からロンドン中心部を通り、エセックス州シェンフィールド(Shenfield)までの全長118キロメートルを結ぶプロジェクト。09年5月に着工し、18年の開業を予定していたが、安全検査や信号システムの問題、新型コロナウイルスの流行に伴い工事が一時停止されたことで、工期が大幅に延長した。総工費は188億ポンドだった。
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