世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)が、スイスで開幕した。対面での開催は2年以上ぶりとなる。ウクライナ問題が主要議題となる見通しで、23日にはウクライナのゼレンスキー大統領がテレビ演説を行い、世界経済からロシアを完全に締め出す必要があると訴えた。
同大統領は演説で、ロシアや他の諸国による近隣国への侵攻を阻止するためには、ロシアに「最大級の制裁」を科す必要があると強調。ロシア産石油の完全な禁輸や、ロシアの銀行の国際システムからの締め出し、ロシアとのあらゆる通商の停止を呼びかけた。
26日までの会期中には、フォンデアライエン欧州委員長やドイツのショルツ首相、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長なども演説を行う予定。
今回、ロシアの企業やシンクタンクなどの代表者の参加は認められていない。例年、ロシア企業が世界の企業幹部や投資家をキャビアやシャンパンでもてなす建物は、ロシアの戦争犯罪をテーマとする展示会場になっている。
ダボス会議は、スイス東部のリゾート地ダボスで1971年から開催。世界各国の政財界のリーダーや学者らが世界経済の課題を議論する。開催は例年1月だが、昨年はコロナ禍のため対面開催が中止され、今年の会議も新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大を受け1月から5月に延期されていた。
今回の会議では、ウクライナ問題に加え、コロナ禍からの経済復興や、気候変動対策、未来の仕事の在り方、株主だけでなく従業員や顧客、地域社会などすべてのステークホルダーの利益に配慮する「ステークホルダー資本主義」、新テクノロジーなどが議題となる。
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