フランスのマクロン大統領は16日、エリザベット・ボルヌ前労働・雇用・社会復帰相(61)を新首相に指名した。かつて社会党に所属した同氏を起用することにより、6月の国民議会(下院、定数577)選挙に向け左派からの支持取り込みを狙う。ボルヌ氏はフランスで2人目の女性首相となる。
同氏は、この日に辞表を提出したカステックス首相の後任に就く。マクロン大統領は数日中に、新内閣の名簿を発表する見通し。それまでは現内閣が業務を継続する。フランスで女性が首相に就くのは、社会党のミッテラン大統領下で1991~92年に首相を務めたクレッソン氏以降で初めて。
ボルヌ氏は元官僚で、パリ交通公団(RATP)総裁を務めた後、マクロン政権下で交通担当相と環境相、労働・雇用・社会復帰相を歴任。かつて社会党員だったが、現在はマクロン大統領率いる中道の与党・共和国前進(REM)に所属する。
同氏は新首相として内政問題に取り組むが、6月の国民議会選挙の結果によっては、困難なかじ取りを迫られる可能性もある。仏世論調査会社オピニオンウェイの最新調査によると、REMをはじめとする大統領派は過半数の310~350議席を確保する見通しだが、先の大統領選挙で3位に付けたメランション氏が率いる左派連合も支持率が上向いている。同連合は現時点で135~165議席の獲得が見込まれている。
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