英中銀イングランド銀行は5日、4日に開いた金融政策委員会(MPC)で政策金利を0.25ポイント引き上げ、1%とすることを決めたと発表した。世界金融危機の影響を受けていた2009年初頭以降で最高となる。インフレ率が約30年ぶりの高水準となる中、市場では中銀が4会合連続で利上げするとの見方が強まっていた。中銀は物価上昇が家計を圧迫し、22年後半には景気が後退するとみている。
議事録によると、今回の利上げは金融政策委員9人のうち6人が支持。ジョナサン・ハスケル、キャサリン・マン、マイケル・ソーンダーズの3委員は、0.5ポイント引き上げ1.25%とするよう主張した。
英国の3月のインフレ率は7%と前月から0.8ポイント加速し、1992年3月以降の最高記録を更新。中銀が2月に示した予想6%を上回り、目標とする2%を大きく超過している。
中銀は今後のインフレ率について、年内はさらに加速が続くと予想。4月は9.1%となり、10月に電力・ガス料金の値上がりが予想されることから、第4四半期には10%超でピークに達するとみている。中銀の従来予想では、インフレ率は4月に8%前後でピークに達するとみられていた。
国内経済については、第1四半期の国内総生産(GDP)は前期比0.9%増と、予想を上回ったものの、実質可処分所得の低下が家計を圧迫する兆しが見られると指摘。第2四半期の成長率見通しは、従来の1.2%から0.1%に引き下げた。2022年後半はエネルギー価格上昇を受け、伸びがさらに減速し、第4四半期にはマイナス成長に陥るとみている。今年のGDP成長率の見通しは3.75%に据え置いたものの、来年については1.25%からマイナス0.25%へと大きく引き下げている。
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