天然ガスで世界最大手の露ガスプロムは27日、ポーランドとブルガリアへの天然ガス供給を停止したと発表した。両国がルーブル建てでの代金支払いに応じなかったため。ロシアのウクライナ侵攻を受け欧米諸国が経済制裁を拡大する中、ロシアはエネルギーを使って報復措置に出た格好。これに対しポーランドとブルガリアの両政府は、供給停止は契約違反と反発している。
ポーランドの国営ガス・石油大手PGNiGは、27日午前8時(現地時間)をもって、ヤマル欧州パイプライン経由での天然ガス輸送を「完全に停止した」とガスプロムから通知を受けたと発表。PGNiGは12日に、ルーブル建てでのガス代金の支払いを拒否していた。同社は、今回の供給停止は契約違反だと主張している。
ブルガリアの国営ガス会社ブルガルガス(Bulgargaz)もガスプロムから同様の通知を受けた。ニコロフ・エネルギー相は、ブルガリアは既に4月分の代金を支払っており、供給停止は契約違反だと反発している。ブルガリア政府は、天然ガスの代替調達先を探す方針。
欧州の天然ガス価格の指標となるオランダTTF先物5月限は27日朝には一時、前日終値を19%上回る1メガワット時当たり117ユーロまで上昇した。
ロシアのプーチン大統領は3月末、ロシア産天然ガスを「非友好国・地域」が購入する際に、ルーブル建ての支払いを求める法令に署名。これに応じなければ供給を停止するとしていた。
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