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耐性菌治療薬の調達に新方式 英保健省、新薬開発促進で

英保健省の国立保健医療研究所(NICE)は12日、従来の抗生剤が効かない耐性菌感染症の治療薬「セフィデロコル」と「セフタジジム・アビバクタム」について、サブスクリプション方式での調達案を公表した。毎年一定額を製薬会社に支払うことにより、増加する耐性菌に効く新薬の開発を促す狙い。医薬品の支払いにこうした方式が用いられるのは、世界初となる。

薬剤耐性(AMR)を持つ菌は世界的に増加しており、世界保健機関(WHO)はAMRを向こう10年の緊急医療課題の一つとみなしている。英政府は2040年までにAMRの拡大を食い止める目標を掲げる。

NICEによると、国民医療制度(NHS)はこれらの治療薬について、使用量に関わらず一定額を支払うサブスクリプション契約を今夏に結ぶ方針で、現在は医薬品メーカーと支払額を交渉している。

詳細は明らかにされていないが、フィナンシャル・タイムズによると、「セフィデロコル」を手掛ける塩野義製薬と、「セフタジジム・アビバクタム」を手掛ける米国の製薬大手ファイザーに対し、年間1,000万ポンドが支払われる見通し。

英国は今後、世界各国に対し、これを基準として国内総生産(GDP)に応じた金額でのサブスクリプション契約を促す方針。各国がこれに応じれば、医薬品メーカーにとって新薬開発のインセンティブになるという。

NICEは「このプロジェクトの目的は、NHSが必要に応じて効果的な新しい抗菌剤を入手できるようにすること」と説明。「AMRが拡大する中、これにより患者が治療の選択肢に窮する事態を回避する」としている。


関連国・地域: 英国
関連業種: 医療・医薬品マクロ・統計・その他経済

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