フランスで10日、大統領選挙の第1回投票が行われ、与党・共和国前進(REM)を率いる現職のマクロン大統領と、極右政党・国民連合のマリーヌ・ルペン党首が、24日の決選投票に進むことが確実となった。開票率97%の時点で、首位のマクロン氏の得票率は27.6%、これに次ぐルペン氏は23.41%。両氏は2017年の前回選挙でも決選投票に進み、マクロン氏がこれを制したが、最新の世論調査でルペン氏は支持率を僅差まで追い上げ、接戦が予想されている。
3位につけた極左政党「不屈のフランス」のメランション党首は、21.95%の票を集めた。同党首は支持者に対し、決選投票でルペン氏に投票しないよう呼び掛けたが、マクロン氏の支持は表明しなかった。得票率4.79%だった共和党の候補者バレリー・ペクレス氏や、同4.58%のヨーロッパエコロジー・緑の党(EELV)のヤニック・ジャド氏は、マクロン氏の支持に回った。
一方、ルペン氏は、極右の論客として知られるエリック・ゼムール氏の支持者からの得票が期待できる。同氏は7.05%の得票率で、4位につけた。また、2.07%の票を得たナショナリストのニコラ・デュポンエニャン氏は、ルペン氏を支持している。
調査機関Ifopは世論調査に基づき、決選投票でマクロン氏が勝利するものの、同氏とルペン氏の支持は51%対49%に迫ると予想。世論調査会社ELABEも、52%対48%と僅差の調査結果を出している。
ルペン氏の追い上げの背景には、マクロン氏がロシアのウクライナ侵攻への対応に追われて選挙運動に出遅れたことに加え、ルペン氏が旗印の反移民・反欧州連合(EU)ではなく家計支援を前面に押し出したことがあるとみられる。Ifopが3月に行った調査では、ルペン氏を「怖い」と捉える市民は50%未満に減った。
なお17年の決選投票では、マクロン氏が66.1%の支持を集め勝利している。
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