自動車製造取引業者協会(SMMT)は5日、3月の英国の新車登録台数が24万3,479台となり、前年同月比14.3%減少したと発表した。同月としては、1998年以降で最低。半導体をはじめとする部品の供給不足による生産縮小が響いた。
3月は法人向けが20%、個人向けが8.2%拡大した一方、フリート向けは34.4%減少した。燃料別ではディーゼル車が55.2%減り、ガソリン車は25.6%縮小。代替燃料車(AFV)のうち、バッテリー式電気自動車(BEV)は78.7%増加した。ハイブリッド車(HV)は28.4%伸びた半面、プラグインハイブリッド車(PHV)は7.5%落ち込んだ。マイルドハイブリッドシステム搭載車では、ディーゼル車が50.3%減った一方、ガソリン車は4%上向いた。
新車登録台数をメーカー別に見ると、英国車はインドのタタ・モーターズが展開するジャガーが40.7%減の2,301台、姉妹ブランドのランドローバーは54.4%減の6,872台だった。欧米ステランティス傘下のボクソールは18.9%減の1万2,869台。
外国勢を見ると、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)は、VWブランドが38.3%減の1万4,620台、傘下のアウディは19.8%減の1万5,322台だった。BMWは28.8%減の1万4,950台。米フォードは19.8%減の1万7,834台となった。
日系メーカーは、トヨタ自動車(レクサス除く)が4.7%減の1万6,112台。日産自動車は28.1%減の1万194台だった。スズキは24.1%増の3,638台、マツダは14.9%減の3,455台、ホンダは8.3%減の2,802台、スバルは25.2%減の193台となった。
英国では3月と9月にナンバープレートが切り替わるため、これらの月は販売が伸びる傾向にあり、3月は年間登録台数の約2割を占めるとされている。SMMTのマイク・ホーズ最高経営責任者(CEO)は「新車市場にとって1年で最も重要な月だっただけに、この結果は非常に残念で、今後の課題が露呈した」とコメント。依然として需要は旺盛なだけに、この落ち込みは世界的な半導体不足の深刻さを物語っているとした。ロシアによるウクライナ侵攻がサプライチェーン(調達・供給網)にさらなる影響を与える可能性があるとして、電気自動車(EV)の購入を考える顧客に早めの注文を呼び掛けた。
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