ハンガリーで3日、議会(一院制、定数199)選挙の投開票が行われ、与党のフィデス・ハンガリー市民連盟が過半数を確保し勝利を収めた。これにより、オルバン首相の4期目続投が濃厚となった。
フィデス・ハンガリー市民連盟は開票率99%の時点で得票率が53.3%に達し、135議席を獲得するとみられている。「打倒オルバン」を目指す野党6党連合は、得票率53.1%で56議席を確保する見通し。
オルバン首相は勝利後の演説で、欧州連合(EU)や各国の主要メディア、隣国ウクライナのゼレンスキー大統領を「反対勢力」と呼び、こうした逆風の中で勝利を収めたことを喜んだ。ゼレンスキー大統領は先に、同首相がウクライナへの武器輸送を禁止したことを批判していた。
野党連合が首相候補として推していたマルキザイ氏は、与党の勝利に「皆と同じように、ひどく驚いた」と述べ、敗北を認めた。
■LGBT新法、国民投票で支持集まる
この日には、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)を巡る新法の是非を問う国民投票も実施された。2021年6月に成立した同法は、同性愛や性別適合についての学校教育を制限する内容。オルバン政権は、子供の権利保護が狙いとしているが、欧州委員会や非政府組織(NGO)は、性的少数者の権利制限や差別の助長につながるとして反対している。
国民投票では4項目の質問が提示された。保護者の同意なしに学校で性的指向に関する授業を行うことや、未成年者に対する性別適合治療の促進とその実施、性的指向に影響を及ぼすコンテンツを無制限に子供に見せることの是非が問われた。各項目とも反対票が90%を超えており、新法の成立を後押しする結果となった。
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