ドイツの経済・気候保護省は21日、アラブ首長国連邦(UAE)と水素分野での協力関係を強化すると発表した。ドイツのエネルギー大手ユニパー(Uniper)とRWEはそれぞれ、アブダビ首長国のアブダビ国営石油会社(ADNOC)と水素供給網の構築などに向け提携する。
ハーベック独副首相兼経済・気候保護相はこの日、UAEを訪問。これに伴い、両国の企業と研究機関が5件の合意を交わした。
ユニパーは、水素貯蔵・輸送技術を手掛ける独ハイドロジーニアスと、東京電力フュエル&パワーと中部電力の合弁会社で火力発電事業の燃料調達などを手掛けるJERA(ジェラ)と共に、ADNOCと水素輸送の共同実証プロジェクトを実施する。ハイドロジーニアスの液体有機水素キャリア(LOHC)技術を用い、UAEのクリーン水素をドイツに輸送することを目指す。
RWEは、独産銅大手アウルビスなどと共に、ブルーアンモニアの輸送を巡りADNOCと合意した。ブルーアンモニアは化石燃料で生産されるが、その過程の二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)を通じて炭素排出量は実質ゼロとなる。
このほか、独北部のハンブルク港を運営するハンブルガー・ハーフェン・ウント・ロギスティク(HHLA)も、ブルーアンモニア輸送でADNOCと提携する。独シーメンス・エナジーおよびルフトハンザ航空は、アブダビ未来エネルギー公社(マスダール、Masdar)と合成ケロシン生産を巡り協働。両国の研究機関は、再生可能エネルギーと水素技術の知識交換で合意している。[環境ニュース][日本企業の動向]
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