フランクフルト証券取引所を運営するドイツ取引所は4日、ドイツ株式指数(DAX)を構成する40社のうち2社を入れ替えると発表した。銘柄の定期見直しのためで、化粧品大手バイヤスドルフとシーメンス・エナジーが脱落する一方、商用車大手ダイムラー・トラックとハノーバー再保険が新たに組み込まれる。更新は3月21日から適用する。
ダイムラー・トラックは昨年12月、自動車大手ダイムラー(当時)からスピンオフ(事業の分離・独立)し、フランクフルト証取に上場。2025年までにEBIT(利払い・税引き前利益、特別損益除く)ベースの利益率を10%にする目標に掲げる。なお、ダイムラーはこれを機に社名を「メルセデス・ベンツ・グループ」に変更している。
ハノーバー再保険の21年12月期決算は純利益(速報値)が12億3,000万ユーロとなり、自社予想の上限を達成。22年は純利益が14億~15億ユーロに拡大するとの見通しを示している。
一方、総合電機大手シーメンスからスピンオフ(事業の分離・独立)したシーメンス・エナジーは、第1四半期(21年10~12月)の純損失が2億4,000万ユーロとなり、前年同期の9,900万ユーロの黒字から赤字に転落。世界的なサプライチェーン(調達・供給網)の混乱などが響いた。
「ニベア」を擁するバイヤスドルフは、21年12月期に9.9%の増益を達成。ただEBITベースの利益率は13%と0.1ポイントの改善にとどまっており、今年も横ばいを見込む。
なお、DAX構成銘柄は昨年9月に従来の30社から40社に拡大された。ドイツの決済サービス大手ワイヤーカード・グループの不正会計疑惑を受けた改革の一環で、銘柄の多様性を広げることで指数の質を高めるとともに、国際基準にかなうものにすることが狙い。一方、MDax(ドイツ中型株指数)の銘柄数は、従来の60社から50社に減らされている。
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