英国の金融大手HSBCホールディングスは22日、2021年12月期の税引き前利益が189億600万ドルとなり、前期から2.2倍に拡大したと発表した。新型コロナウイルス危機の打撃が予想より軽く、予想信用損失を戻し入れたことが大きい。
税引き前利益を地域別に見ると、欧州は37億7,900万ドルと、前期の42億500万ドルの赤字から黒字に転換。南米も3,700万ドルの赤字から8,100万ドルの黒字に回復した。中東・北アフリカは黒字が74.9倍に拡大。北米も8.2倍に増えた。一方、アジアは122億4,900万ドルと4.5%減った。
全体の税引き前利益は、特別損益と為替変動の影響を除くと78.6%増の219億1,600万ドル。これを部門別に見ると、コマーシャル・バンキング部門は3.7倍に拡大した。コーポレート・センターは89.8%増え、リテールバンキング&ウェルスマネジメント部門とグローバル・プライベートバンキング部門を統合した新たなウェルス&パーソナルバンキング部門は70.7%、投資銀行業務を含むグローバルバンキング&マーケット部門は10.2%それぞれ増えた。
グループの業務粗利益は1.7%減の495億5,200万ドル。「バーゼル3」全面適用時の普通株式等ティア1レシオ(自己資本比率)は期末時点で15.8%と、1年前から0.1ポイント低下した。
同行は今年について、貸倒引当金の水準は全体としては正常化するものの、中国の「感染ゼロ」政策に基づく厳格な規制により、同国の商業不動産関連の不良債権が拡大し、資産管理事業が伸び悩む恐れがあるとみている。自己資本比率は14~14.5%になると見込んでいる。
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