欧州中央銀行(ECB)は2月29日、欧州連合(EU)内の銀行を対象とした期間3年の低利融資の入札を実施し、800行の金融機関に5,295億ユーロを供給する方針を明らかにした。融資は昨年12月に続く2回目で、供給総額は1兆ユーロを超える。これにより債券・株式市場の浮揚を狙う。
融資金利は貸出し期間におけるECBの政策金利を平均したもので、現在は1%。各行は1年後に前倒しで返済することもできる。この無制限の供給により銀行の流動性を高め、ユーロ圏の国債の買い支えを目指す。前回は523行に4,890億ユーロを供給。これにより2年物のスペイン国債の金利が3.6%から2.28%に、2年物のイタリア国債の金利が5%から2.14%に低下するなど効果が出ていた。
巨額の融資によりECBのバランスシートは大きく膨れ上がることになる。ECBは3回目の融資の計画は明らかにしていないが、同行の高官は次回の実施について消極的な姿勢を示している。
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