金融大手HSBCホールディングスは7日、アジアと中南米の損害保険事業を仏保険大手アクサとオーストラリアのQBEインシュアランス・グループに売却すると発表した。非中核事業を切り離して資産を圧縮し、自己資本比率を強化する狙い。取引額は9億1,400万ドルに上る。
売却するのは香港、シンガポール、アルゼンチンおよびメキシコで手掛ける生命保険以外の保険事業。うちQBEには香港で傘下の恒生銀行を通じて行う事業とアルゼンチン事業を4億2,000万ドルで、アクサには香港で直接手掛ける事業とシンガポール、メキシコの両事業を4億9,400万ドルで、それぞれ売却する。合意には今後10年間にわたり売却した事業からの利益に応じた支払いをHSBCが2社から受け取る契約も含む。
HSBCを含め大手金融機関は、コスト削減に加え非中核資産の売却を進めている。銀行経営の安全性を高める目的で自己資本比率の規制強化の動きが広まっており、保有する自己資本が一定でも資産を圧縮することで自己資本比率を高めることができる。
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