スーパー英最大手のテスコが定年退職の年齢を67歳に引き上げる。自社の確定給付型年金制度改革の一環で、民間企業では初めて。既に加入者に対する説明を始めており、6月1日付の実施を目指している。
改革の目的は確定給付型年金制度の維持にある。英国の企業の多くが資金難を理由に企業年金制度を凍結する中、テスコは年金制度への新規加入を継続して認める方針。これに向け、年金の満額給付の条件となる定年退職年齢を現行の65歳から67歳に引き上げるほか、給付額の算出に用いる物価指数を従来の小売物価指数(RPI)から消費者物価指数(CPI)に変更する。CPIは通常、RPIを下回ることから、給付額は事実上、減少することになる。ただ連動させるインフレ上昇率の上限は5%と定めており、政府が採用する上限の2倍と余裕をもたせている。
テスコの広報担当者は、高齢化が進むに伴い年金給付期間が長期化することを強調。「年金制度を持続可能なものにするためには改革が不可避」と説明している。テスコは1973年に年金制度を導入した際、社員の平均寿命を77歳と想定していた。しかし現在40歳の社員の平均寿命は90歳を超えるとみている。テスコの企業年金には退職前の17万2,000人を含む29万3,000人が加入している。
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