欧州航空・防衛最大手エアバスとカナダのケベック州政府は4日、同州で手掛ける小型機「A220」の製造・販売事業に、合わせて12億ドルを投資することで合意した。エアバスが9億ドル、州政府が3億ドルをそれぞれ拠出し、同事業が黒字転換するまでの経営を支援する。
エアバスは、ケベック州モントリオールと米国のアラバマ州に「A220」の生産拠点を構えている。カナダ事業責任者によると、今回の投資はモントリオール拠点での「A220」の増産に向けたもの。エアバスは同プログラムにより、同機の事業が世界的に好転し、2025年までに同事業を黒字化できるとみている。
ケベック州のフィッツギボン経済担当相は、今回の動きにより、カナダの航空宇宙産業の中心地である同州で鍵となっている雇用創出が見込めると説明。同事業によりに支えられる雇用は2,500人に相当すると話した。
「A220」は当初、カナダのエンジニアリング大手ボンバルディアが「Cシリーズ」の名称で開発。エアバスは18年に同事業の過半数株を取得した。ボンバルディアは20年、赤字経営が続く同事業から撤退。ロイター通信によると、エアバスは26年にケベック州が握る残り25%の株式を取得する計画だったが、両者は今回、この時期を4年先送りすることで合意した。
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