リチウムイオン電池(LIB)セルを手掛ける英新興企業ブリティッシュボルト(Britishvolt)は21日、電気自動車(EV)向けバッテリーの大規模工場「ギガプラント」を建設する計画を巡り、英政府から補助金を受けると発表した。金額は公表していないが、約1億ポンドとみられている。併せて、英不動産投資ファンドのトライタックス(Tritax)と英資産運用会社アバディーン(Abrdn)から、合わせて約17億ポンドを調達したことも明らかにした。
ギガプラントは2023年第4四半期(10~12月)から24年初めの開設を予定。約3,000人を雇用するほか、サプライチェーン(供給網)なども含めると5,000人の間接雇用が見込まれる。フル稼働すれば年間30万台超のEVにバッテリーを供給する見通しで、これは国内で年間に生産されるEVの約25%に相当する。
ブリティッシュボルトは官民からの資金が確保できたことについて「英国での商業規模のバッテリーのエコシステム構築に向けた第一歩となる」と強調。ジョンソン首相は「大規模工場の設置により英国でのEV生産が加速すると共に、数千人規模の雇用がもたらされる」とコメントした。
一方、フィナンシャル・タイムズは関係者の話を元に、ブリティッシュボルトが既に、英国のスポーツカーメーカー、ロータス・カーズや電気トラックのテッバ・モーターズ(Tevva Motors)、カナダの商用車メーカーのリオン(Lion)、エンジニアリング大手ボンバルディアと、バッテリー供給に向けた覚書を締結したと伝えている。また、欧米自動車大手ステランティスとも交渉を開始したという。
なお、ブリティッシュボルトはかねて、約2億ポンドの政府支援の確保を目指していたが、政府は複数のプロジェクトに資金を分散させる考えで、支援規模は最終的に1億ポンドに落ち着いたとみられる。[環境ニュース]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。