自動車製造取引業者協会(SMMT)は6日、2021年の英国の新車登録台数が前年比1%増の164万7,181台となったと発表した。過去28年で最低を記録した20年からは微増したが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)や世界的な半導体不足が原因で、19年比では28.7%減とパンデミック前の水準を大きく下回った。
個人向けは7.4%拡大した一方、法人向けは4.7%、フリート向けは4.4%それぞれ減った。燃料別ではディーゼル車が大きく48.1%減少。ガソリン車は15.7%のマイナスだった。代替燃料車(AFV)のうち、バッテリー式電気自動車(BEV)は76.3%増加し、ハイブリッド車(HEV)は34%拡大。プラグインハイブリッドEV(PHV)は70.6%伸びた。マイルドハイブリッドシステム搭載車では、ディーゼル車が62%増え、ガソリン車は66.2%拡大している。
新車登録台数をメーカー別に見ると、英国車はインドのタタ・モーターズが展開するジャガーが26.1%減の1万8,868台、姉妹ブランドのランドローバーは9.2%減の5万3,111台となった。欧米ステランティス傘下のボクソールは4.2%減の9万1,452台。
外国勢を見ると、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)は、VWブランドが0.4%減の14万7,826台、傘下のアウディは9.4%増の11万7,953台だった。BMWは1%増の11万6,577台。米フォードは23.9%減の11万6,305台となった。
日系メーカーは、トヨタ自動車(レクサス除く)が9.9%増の10万895台。マツダは13.7%増の2万5,852台、スズキは5.7%増の2万976台、スバルは2.2倍の2,107台だった。一方、日産自動車は4.8%減の6万8,494台、ホンダは1.4%減の2万6,928台となった。
昨年12月単体の新車登録台数は10万8,596台となり、前年同月比18.2%減少。燃料別では、ディーゼル車とガソリン車がそれぞれ67.1%、28.1%縮小した。
SMMTのマイク・ホーズ最高経営責任者(CEO)は、パンデミックの影響が長引いたことに加え、半導体不足による工場の操業停止などで「またも絶望的なほど不本意な1年になった」とコメント。一方で、BEVの登録台数は通年で19万台超と過去5年分の累計を上回ったことから、明るい話題だとして業界の努力を評価した。
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