欧米自動車大手ステランティスとドイツの自動車大手ダイムラーの高級車部門メルセデス・ベンツは11月30日、全固体電池(SSB)を手掛ける米国のスタートアップ企業ファクトリアル(Factorial)・エナジーと提携したとそれぞれ発表した。両社ともファクトリアルに出資し、同社と次世代電池の共同開発を行うとしている。
ステランティスもメルセデス・ベンツも、ファクトリアルへの投資額や出資比率は明らかにしていない。
ファクトリアルのシーユー・ファン最高経営責任者(CEO)は、「これらの提携により、同社の中核技術の商業化が加速される」とコメント。「新たなパートナー企業と組むことにより、より安全で航続距離が長く、従来型のリチウムイオン電池(LIB)の製造環境にも適合するバッテリーを開発できる」と話している。
同社が開発したSSBは、LIBより航続距離が20~50%長く、安全性も高いほか、コスト面でも競争力があるという。同社は10月、韓国の現代自動車や起亜自動車とも提携している。
SSB分野では、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が電気自動車(EV)向け全固体電池の開発を手掛ける米国の新興企業クアンタムスケープと合弁工場の建設計画を進めているほか、ドイツの高級車大手BMWと米自動車大手フォード・モーターは5月、SSBを手掛ける米国のスタートアップ企業ソリッド・パワーの資金調達ラウンドを主導し、同社との共同開発契約を拡大している。[環境ニュース]
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