スウェーデン議会(一院制、定数349)は24日、第1党の中道左派・社会民主労働党を率いるアンデション財務相(54)の新首相就任を承認した。同氏は先に辞任したロベーン首相の後任に就き、スウェーデン初の女性首相となる。
首相の承認には、反対票が半数以下にとどまることが必要。この日の投票では、賛成は同党と連立相手である緑の党の117票のみだったが、反対も174票と半数を割り込んだため承認にこぎつけた。
フランス通信(AFP)によると、アンデション氏は土壇場で左翼党が求める年金支給額の引き上げを受け入れ、同党が反対から棄権に転じたことが可決につながった。支持が見込まれていた中道党は、左翼党への譲歩に抗議して棄権票を投じた。一方、中道右派の野党・穏健党とキリスト教民主党、自由党のほか、極右のスウェーデン民主党は反対票を投じた。
アンデション氏は26日に内閣名簿を公表し、正式に新首相に就任する予定。
同氏はストックホルム北方のウプサラ(Uppsala)出身。競泳選手として活躍した後、ストックホルム商科大学で経済学を学び、2014年から財務相を務めている。
ロベーン前首相は今年6月に不信任案が可決され、内閣総辞職を経て首相に返り咲いたものの、8月に首相辞任の意向を表明。11月4日にアンデション氏が社会民主労働党の新党首に選出されたことを受け、10日に辞任していた。同氏は辞任の理由について、来年9月の総選挙に向け後継者に準備期間を与えためと説明している。
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