英国の航空エンジン大手ロールス・ロイスは8日、原子力発電の小型モジュール炉(SMR)の開発に、米エネルギー大手エクセロン・ジェネレーションとフランスの投資目的会社BNFリソーシズとともに、合わせて1億9,500万ポンドを投資すると発表した。これに対して政府が2億1,000万ポンドの補助金の拠出を決めたため、総投資額は4億500万ポンドとなる。
政府は昨年11月に、気候中立目標の達成に向けた「グリーン産業革命」を発表。総額120億ポンドを投じる10項目の分野の1つとして、新規原子力発電所や小型モジュール炉(SMR)の開発を挙げ、これに5億2,500万ポンドを充てることを明らかにしていた。
今回の資金は、SMRの設計に投じられ英国の厳格な原子力規制に適応させる。これには最大で4年かかる見通しで、発電容量470メガワットの最初の発電所は2030年代初めまでに完成させることを目指す。ロールス・ロイスは、少なくとも16基のSMRを国内の稼働中および閉鎖した原発施設に設置できると見込んでいる。また同社は開発段階で、SMRモジュールの製造拠点の候補地も決めることにしている。このプログラムにより、50年までに約4万人の雇用を創出できるという。
ロールス・ロイスは先に、SMRの設置費用は最初の5基が1基当たり22億ポンドで、その後は18億ポンドに低下するとの予想を示していた。なお同社によると、新たな投資家との交渉も進めており、これがまとまれば4社の投資額は合わせて2億5,000万ポンドになるという。[労務]
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